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2007年4月 1日 (日)

DreamStation講座番外編

サイトでやっているDreamStation講座番外編。
サブタイトルは…そうですね、「プリセットから学ぼう」。

僕の好きなDreamStationのプリセットに「Synth:15-Marimba」というものがあります。
名前からしてもうマリンバの音を真似したものだっていうのはわかるんですが、とりあえず音を聴いてみましょう。
『Synth:15-Marimba』
なんか良い音ですよね。
これがリアルなマリンバかと問われればもちろんNOですが、シンセで作るからこその独特の味があるし叩き物系の雰囲気が出ています。
この、普通にアナログのオシレーターの重ねただけではない感じの倍音はどうやって作られているのかを見ていきたいと思います。

普通、金属的な音や打楽器系の複雑な倍音を生み出すにはFMやRINGを使うのが定番となっています。
事実もはやひとつの楽器音として有名な「FMエレピ」もその名の通りFMで金属的な響きを作り出していますし
RINGモジュレーションは金属的な音を作り出すのによく使われることからその名が付いたと言われています。
じゃぁこのマリンバの音色の響きもそういったモジュレーションで作られているのかというと、実はそうじゃないんですね。
パネルを見ていただければわかる通り、FMもRINGもSYNCも使っていません。

オシレーター部をよく見てみると、選択されている波形はSine・Pulse(Square)・Sineとなっています。
OSC1のSineが音の「基」となり、OSC3のSineは軽くデチューンして重ねています。
そしてOSC2の働きが非常に重要で、これはtuneが100%(OSC1の2オクターブ上)になっています。
この非常に高いところで鳴っているOSC2がキンキンした倍音を担当しているんですね。
FMとかRINGとかで倍音を発生させるというよりは直接書いているという感覚です。
見方によっては強引にも見える手法ですが、こういったベル/マレット系の音色やオルガンでは有効な技だったりします。
サイン波にオシレーターを加えるだけで「金属的な音だな」とか印象が変わるのが、なんとも面白いところだと思います。

補足しておきますと、上記のようなオシレーターの組み合わせを作ったからといってそれだけでマリンバっぽく聴こえるわけではありません。
アンプのEGで素早く減衰する設定を作るのはもちろんですが、この音色ではもうひとつ巧みな仕掛けが施されています。
ユーザーエンベロープという汎用EGを使って、OSC2だけを他のオシレーターより早く減衰させているんです。
実際の楽器だと高い倍音ほど早く消えていくという感じがありますが、シンセだと全部の倍音が同じエンベロープを辿るので、そのままだと「シンセっぽい」んですよね。
ここでは上手く倍音から殺して、パカポコ鳴る感じを作り出しています。
仮にこのユーザーエンベロープの細工をなくしたら、倍音がうるさすぎてマリンバっぽさはありません。

ちなみに簡単な応用として、OSC2の波形を倍音の少ないSineやTriangleにするとちょっとシロフォンっぽくなります。
僕が以前ちょっと配布していたDreamStationパッチでは、今回の倍音書き足し技とFMを併用したベルの音色を収めてました(こんな音

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